以前お手入れのご相談に来られたことのあるお客様から、「九十代の母が天国に旅立つときの衣裳を揃えておきたい」というご相談を受けました。

当店にとっては、初めてのご相談です。

安価のポリエステルの着尺(＝着物用反物)では役不足、正絹(しょうけん)の着尺ではご予算に合わない。

お客様の思いを実現させたいと考え、ひらめいたのは、長襦袢の生地を着物風に仕立てること。

色も雰囲気もこの度のご要望に相応しいのではないかと、うすグレー地の長襦袢の反物をお見せしたら、たいへん気に入っていただきました。

長襦袢は、生地がしなやかで軽めなので、今回ご要望の衣裳としては最適です。

柄が着物調なので、いい感じに仕立て上がりました。

帯の替わりとして、伊達締め(だてじめ＝着装を安定させるための細い巻物)もお買上げいただきました。

「おたくなら、こんな相談もできるんじゃないかと思って来ました」というお客様のお言葉がとても嬉しかったです。また、勉強になりました。

本当に有難うございました🙇

お着物に関するさまざまなご相談をお待ちしています。